💡「これもいかがですか?」が言えなかった。AIと行動経済学が、営業の「恐怖」を「最高の気遣い(ナッジ)」に変えた、収益V字回復の舞台裏。

「これもいかがですか?」が言えなかった。AIと行動経済学が、営業の「恐怖」を「最高の気遣い(ナッジ)」に変えた、収益V字回復の舞台裏。
📰正直、クロスセルって苦手じゃないですか?
私はコンサルタントとして、多くの経営者や営業マネージャーの方とお話しさせていただきますが、「営業チームの収益性を上げたい」という悩みの次に必ずと言っていいほど出てくるのが、「クロスセル(ついで買いの提案)が機能していない」という課題です。
本音を言えば、これ、すごくよく分かります。
「これもいかがですか?」
この一言が、どれだけ勇気がいることか。
お客様の顔が「あ、売り込みが始まった」と曇るのが怖い。せっかく築いた信頼関係が、この一言で壊れてしまうんじゃないか。そう思うと、口が重くなりますよね。
これは、サボっているわけでも、お客様への愛が足りないわけでもありません。むしろ逆で、お客様のことを大切に思っている「いい人」ほど、この「売り込み」の壁を越えられない。
営業研修で「気合が足りない!」「とにかく全部提案しろ!」なんて言われても、人の心はそんなに簡単には変わりません。それが人間です。
📰その「おせっかい」が顧客の心を閉ざす
なぜ、あんなに「いい人」だったはずの営業が、お客様から「しつこい人」だと思われてしまうのか。
それは、提案の「タイミング」と「内容」が、お客様の心理状態とズレているからです。
人の心には「心理的リアクタンス」という「防衛本能」があります。
「選ばされている」「操作されている」と感じた瞬間、人は無意識に「NO」と言いたくなるんです。
マネージャーは「売れ!」と指示し、営業は「売れない…」と萎縮する。
この負のスパイラルこそが、収益性向上の最大の敵です。
📰コンビニのレジ横がヒントだった
じゃあ、どうすればいいのか。
ある日、私はコンビニのレジでコーヒーを買おうとして、ハッとしました。
レジ横に、新発売の小さなチョコレートが置いてあったんです。
「あ、これ美味しそう」
私は、何の抵抗もなく、そのチョコをコーヒーと一緒にかごに入れました。
誰にも勧められていないのに。
なぜ、コンビニのレジ横では「ついで買い」が自然に起こるのか?
それは、行動経済学でいう「ナッジ(そっと後押しする)」が完璧に設計されているからです。
・コーヒーを買うという「主目的」が終わる寸前の、気が緩んだタイミング
・「100円」という、財布のヒモが緩む「心理的安全性」のある価格
・「新発売」という、好奇心をくすぐる「フレーミング」
これらは全て、お客様に「売り込まれた」と感じさせることなく、「自分で選んだ」という満足感を与えるための、計算され尽くした「仕掛け」です。
📰AIが「売り込み」のタイミングを教えてくれる
「これを、うちのクライアントのBtoB営業でも再現できないか?」
そう考えて、ある中小企業の営業DXプロジェクトで試したのが、AIによる「おせっかいのシステム化」でした。
その会社は、ある専門機器(製品A)を販売していましたが、売上の大半がその機器本体だけで、消耗品(製品B)やメンテナンス(製品C)が全く売れていませんでした。
営業マンは、みんな「いい人」ばかりで、「製品Aを買ってくれたばかりなのに、製品BやCの話をするのは気が引ける…」と、完全にクロスセルの提案をためらっていたんです。
そこで私たちが導入したのは、立派なAIシステムではありません。
まず、過去の「購買データ」と「顧客サポートの履歴」を全部、AIに読み込ませて分析したんです。
すると、面白いパターンが見えてきました。
・製品Aを買ったお客様は、平均「45日後」に、決まって「ある特定のエラー」についてサポートセンターに電話している。
・そのエラーは、実は消耗品である「製品B」を交換すればすぐに直るものだった。
もう、お分かりですよね。
📰口下手な佐藤くんがトップセールスになった日
その会社の営業チームに、佐藤くん(仮名)という、口下手だけど誰よりも誠実な若手がいました。彼は当然、クロスセルが一番の苦手分野でした。
ある日、彼のPCにAIからアラートが届きます。
「A社(佐藤くんの担当)が、製品Aを導入して本日で40日目です。45日後にエラーが発生する可能性75%。製品Bの交換を推奨します。」
以前の佐藤くんなら、電話をためらったでしょう。
「まだエラーも起きていないのに、消耗品を売り込むなんて…」
でも、AIが示した「根拠」が彼の背中を押しました。
彼はA社に電話ではなく、こんなメールを送ったんです。
「A社の〇〇様。いつもお世話になっております。佐藤です。
導入いただいた製品Aの調子はいかがですか?
ところで、過去のデータからなのですが、導入後45日前後で、製品Bの消耗によるエラーが出やすい傾向があります。
もし、まだ予備の製品Bをお持ちでなければ、トラブルが起きる前に、こちらからお送りしましょうか?」
📰「おせっかい」が「最高の気遣い」に変わる瞬間
A社からの返事は、クレームでも「売り込みか」という冷たい言葉でもありませんでした。
「佐藤さん、ありがとう!すごいタイミングだね。ちょうど『あれ、そういえば予備がないかも』って妻と話してたんだよ。助かるよ、すぐに送ってくれる?」
佐藤くんにとって、世界が変わった瞬間でした。
彼は「売り込み」をしたのではありません。
AIという「データ分析の相棒」が教えてくれた「最適なタイミング」で、
お客様が「まさにこれから困るであろうこと」を先回りして解決する、「最高の気遣い」をしたのです。
この「小さな成功体験」が、彼と、そしてチーム全体を変えました。
「売り込み」は、「お客様の課題を先回りして解決する提案」に変わりました。
「営業の恐怖」は、「お客様に感謝される喜び」に変わったんです。
もちろん、会社の収益性は劇的に改善しました。消耗品やメンテナンス契約が面白いように決まっていったからです。
📰テクノロジーは「人の心」を支援するためにある
私がやりたいのは、こういう仕事です。
AIやDXは、決して「人」を置き換えるものではありません。
ましてや、営業マンを「売上マシーン」に変えるものでもない。
テクノロジーは、「人の心」が持つ「ためらい」や「優しさ」といった弱さ(であり、実は強さでもあるもの)に寄り添い、それを「最高のパフォーマンス」に変えるためにこそあるべきです。
あなたの会社にも、お客様に感謝されるはずだったのに、まだ見つけられていない「最高のタイミング」が、データの中に眠っていませんか?
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