📒リスティングで1.5倍クリックされるキャッチコピー – 行動経済学とナッジ
いきなり質問です。
まずは、以下の質問について考えてみてください。
「美人女優」というフレーズを見て、誰を思い浮かべますか?30秒で考えてください。
…
…
…
…
…
最近ですと「北川景子さん」「石原さとみさん」「新垣結衣さん」辺りは多い回答です。では次に、以下のキャッチコピーを見て、どちらがクリックされる確率が高いでしょう?10秒で考えてください。
- 「○○さん愛用の化粧品」※○○はあなたが思い浮かべた女優さん
- 「ある美人女優愛用の化粧品」
…
…
…
…
…
答えは決まりましたか?正解は「ある美人女優愛用の化粧品」です。これには明確な根拠があります。
「美人女優」という質問に対して、この記事をご覧の方は頭の中で「最初に思い浮かべた最も印象が強い美人女優」の名前が出てくると思います。この質問を実際にしてみると「吉永小百合さん」や「チャン・ツィイーさん」「ナタリー・ポートマンさん」など世代や性別、国籍、経験、知識などで様々な回答が出てきます。
つまり、それぞれにとっての「美人女優」は異なったが名前が出てきます。これが「このキャッチコピーの強み」となるのです。「美人女優」という言葉はそれぞれにとっての「美人女優」であり「ある美人女優」とすることでそれぞれの解釈から「あの美人女優かな?」という興味によって、その広告をクリックしたくなるという仕掛けです。この仕掛けだけでクリック率で1.5倍もの差が付く事例もあります。
これを「行動経済学」で言う「ナッジ」です。
行動経済学「ナッジ」とは
ナッジ(Nudge, 本来の意味は「(合図のために)肘で小突く」、「そっと突く」)は、行動経済学、政治理論、そして行動科学の一概念であり[1]、これは集団あるいは個人の行動と意思決定に影響を与える途として、陽性強化(positive reinforcement)と風諭(indirect suggestion, 他の事にかこつけてそれとなく遠回しにさとすこと)を提案する。ナッジングは、教育、立法、あるいは施行のようなコンプライアンスを達成する他の方法とは対照をなす。
ナッジ概念は、シカゴ大学のアメリカ人学者2人、行動経済学者リチャード・セイラーと法学者キャス・サンスティーンによる、2008年の著書『Nudge: Improving Decisions About Health, Wealth, and Happiness』において広められた。それはイギリスとアメリカの政治家らに影響を与えた。いくつかのナッジ・ユニットは、国レベル(英国、ドイツ、日本など)のみならず、国際レベル(世界銀行、国連、欧州委員会など)でも世界中に存在する[2]。「ナッジ理論」が行動経済学の最近の新奇な発展であるのか、それとも行動分析の科学において調査された行動に影響を与える多くの方法の1つをあらわす単なる新語であるのかは、論争されている[3][4]。
参考)Wikipedia「ナッジ」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%83%83%E3%82%B8
「ナッジ」にはいくつかの手法が存在しますが、それらは主に「ユーザーが自主的に行動したかのように仕向ける」手法です。例えば、リスティング広告で考えた場合には、その広告主が意図する方向に仕向けることが出来ます。
以前に書いた「「お客様の声」「サービス事例」が売上に繋がる5つの理由」の記事でも触れた「社会的証明」も「ナッジ」の類型の一つです。
「ナッジ」の活用シーン
弊社では「ナッジ」をリスティング運用の際のキャッチコピーだけでなく、「ウェブサイト制作」の「アイキャッチ(見出し画像)」や「タイトル」等にも活用することがあります。「ウェブマーケティング」の状況において「ナッジ」は様々な活用が可能です。
例えば「デフォルト」も「ナッジ」の類型です。これは「免許証の裏面」の事例で説明が出来ます。さて、ここでまた質問です。免許証をお持ちの方は裏面に何が書いて有るかご存知ですか?
…
…
…
…
…
答えはこれです。
「臓器提供意思表示」ですね。分からなかった方も多いのではないでしょうか。
ドイツでは「免許証の裏」に「臓器提供の意思表示をする場合は○をする」としました。すると、10%の人が臓器提供の意思表示をしました。フランスでは「臓器提供の意思表示をしない場合は○をする」としたところ、逆にこちらは○を付けた人は10%…つまり、90%の臓器提供意思表示の同意を得られた訳です。これが「デフォルト」の効果です。
人間は「選択」が有った場合に、初期表示を変えることを面倒に思うことがあります。この行動を活用することで「臓器提供の意思表示」を10%から90%に上げることが可能となるのです。
ウェブサイトの場合でしたら以下のような「メルマガの登録」選択式のタイプのもので見られる手法ですね。
※実際に送信はできません。
「問い合わせフォーム」や「ショッピングの購入フォーム」に「メルマガ登録」の項目を付け、「ラジオボタンの選択肢」を最初から「メルマガに登録する」を選択した状態にしておいて、「問い合わせ」「購入」ボタンと一緒に配置しておけば、自動的に「オプトアウト」となりメルマガ会員とすることが出来る訳です。
用法・用量を守って正しくお使いください
「ナッジ」には他にも様々な手法が存在します。使い方によって、ユーザーを意図的に動かすことが可能ですが「全てのユーザーに適用出来る訳ではない」「慣れると効果が薄れる」、あるいは「過度な活用は不快感を与える」こともあります。
「ナッジ」を活用する際は、ユーザーに不快感を与えないよう正しくご利用ください。これらを理解した上で適切利用すれば、サイトの問い合わせやコンバージョン数/率を上げることが出来ます。
今、考えている「それ」アイデアとITの力で実現しちゃいます。
「ナッジを使ってサイトからの問い合わせ数を増やしたい」「サイトの集客方法を見直したい」方はぜひ、お問い合わせください。
原則1営業日以内にご回答いたします。なお、お急ぎの場合は050-5308-3540(月~金 10:00~19:00 / 土日祝休)までお気軽にご連絡ください。