💡なぜ「指示待ち社員」は生まれる?行動経済学で解明する、部下が「自ら動く」1on1面談の科学

📰「また指示待ちか…」その言葉、実はあなたが言わせてるかも
「何か質問は?」と会議で問いかけると、シーンと静まり返る。1on1で「最近どう?」と聞いても、「特に問題ないです」という当たり障りのない返事。正直、多くの経営者や管理職の方が、この「指示待ち」の壁にぶつかっているのではないでしょうか。
私も昔は、「なぜ彼らは主体的に動かないんだ」と本気で悩んでいました。でも、ある時から気づいたんです。問題は「個人のやる気」ではなく、彼らを取り巻く「環境」にあるのだと。行動経済学でいう「選択アーキテクチャー(選択の設計)」が、彼らから「考える余地」を奪っていたのかもしれません。
📰部下の「やる気スイッチ」はどこにも存在しないという残酷な真実
よく「やる気スイッチ」なんて言葉を使いますが、本音を言えば、そんな便利なボタンはどこにもありません。もしあるとしたら、それは「外から押す」ものではなく、「内側からしか押せない」ボタンです。
これが心理学でいう「内発的動機付け」。人は、誰かに「やらされる」のではなく、自分で「選びたい」生き物なのです。報酬や罰(アメとムチ)で動かすのは簡単ですが、それは長続きしない。部下が自ら「やりたい」「成長したい」と感じる「土壌」をどう作るか。1on1の価値は、まさにそこにあるんです。
📰命令は「心理的リアクタンス」という名の反発しか生まない
「これをこうやっておいて」。こんな風に指示(命令)していませんか?良かれと思って細かく指示するほど、相手の心には「心理的リアクタンス」という名の、無意識の反発が生まれます。『言われなくても分かってる』『どうせ自分の意見なんて聞かれない』と。
思い出してみてください。渋谷のDJポリスは「止まれ!」と命令せず、「皆さんは日本代表の12番目の選手です、チームワークで協力してください」と呼びかけ、群衆を笑顔で誘導しました 。彼は「命令」ではなく「敬意」と「仲間意識」で、人々の自発的な行動を引き出したのです 。これこそ、行動をデザインする「ナッジ」の神髄です 。
📰「なぜなぜ分析」の罠。1on1で本当に聞くべき魔法の質問
1on1で「なんで出来なかったの?」と「なぜ」を繰り返すと、相手は尋問されているように感じ、心を閉ざしてしまいます。あれは「なぜなぜ分析」というより、ただの「詰問」になりがちです。
そうではなく、「どうしたら出来そう?」「もし、たった一つだけ変えられるとしたら、何から試してみたい?」と問いかける。ポイントは、行動への「摩擦(心理的ハードル)」を極限まで下げること 。いきなり100点を目指させるのではなく、「まず5分だけやってみる」という小さな一歩を、相手に「自分で」決めさせる 。この「小さな成功体験」こそが、次の行動を生むガソリンになります。
📰「ゴルディロックス効果」を面談に応用する裏ワザ
ちなみに、この「選ばせる」技術は、価格設定にも使われる心理学の応用です。レストランの「松竹梅」メニューを思い浮かべてください。高すぎず、安すぎず、多くの人が真ん中の「竹」を選びますよね 。
これは「おとり効果」や「極端性回避」と呼ばれるもので 、面談にも応用できます。「A(大きな挑戦)、B(現実的な一歩)、C(まずは現状維持)」と選択肢を提示し、B(竹)を本命として選ばせる。部下は「自分で選んだ」と感じるため、その行動へのコミットメントが格段に高まるのです 。
📰研修は「義務」から「機会」へ。ナッジでデザインする成長環境
結局のところ、研修も1on1も同じです。「参加は任意です」というオプトイン方式では、忙しい日常を言い訳に参加しない人が大半です。
そうではなく、「全員参加が基本です。もし参加できない場合は連絡を」というオプトアウト方式(デフォルト設定)にする 。「この研修を受けないと、同期に差をつけられる機会損失になる」とフレーミングする 。
命令するのではなく、部下が「自ら成長する」のが最も簡単な選択肢になるよう、環境をデザインする。それこそが、AI時代に求められる経営者・管理職の「メンタリスト」としての役割なのだと、私は考えています。
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