📒「一緒にポテトはいかがですか?」でサイトの離脱を抑制する小技

あなたのサイトは売れていますか?
自社サイトは「売れています」か?「売れている」と即答出来る方、伸び悩んでいると考える方、はたまた売れているがさらに上昇志向で行きたいと考える方、様々な回答が予想できる質問です。ところで「売れている」とは何でしょうか?
「年間売り上げ計画」に基づきKPIを達成している状況が「売れている」なのでしょうか。あるいは単純に「黒字経営」だから売れているのでしょうか。答えはその会社の商材や経営方針など、様々な指標や基準で判断が分かれます。では、さらにそこからもう一歩踏み込んで「売れるようになる(売れるようにしたい)」と考えた場合はどうでしょうか。
現状をスタートラインとして、今よりも高い目標を立てて「売れるサイトにする」ことはどの企業でも可能です。
ウェブサイトで売れるために
では、現状よりもウェブサイトで「売れるようになる」ためには、どのようにすれば良いでしょうか。今回は「ユーザーの行動プロセス(購買に至るまでの流れ)」の中でも特に「離脱」の視点から見てみましょう。

かの有名な「電通」が提唱するインターネット上の購買行動プロセスに「AISAS」(アイサス)が有ります。インターネットユーザーについては、多くが以下のプロセスを踏むとされています。
1.Attention(注意)
2.Interest(関心)
3.Search(検索)
4.Action(購買)
5.Share(情報共有)
※電通が提唱(2005年6月に商標登録)
参考)マーケティング用語集Wiki「AISAS」
https://marketingis.jp/wiki/AISAS
さて、この手順通りで誰もが進んでくれれば良いのですが、各プロセスの合間にそれぞれ「離脱」(Leave)が含まれる場合があります。特に自社で対応する必要が有るのが「Search」と「Action」の間の「Leave」です。
SEOもリスティングも上手く効果が出て、ユーザー数が増えているのに、
「商品説明が分かりにくい」
「サイトのデザインに信頼性が感じられない」
などの理由による「Leave」は、デザインやコンテンツ等のソフト面に起因することが多い課題です。
解決方法としては、PDCAに基づく「ペルソナ/ターゲット」「自社商品」「ベネフィット」等の分析から「客観的(俯瞰的)サイト分析」、これに伴う「サイト修正」「ABテスト」云々等…手間のかかる多くのプロセスを通じて中長期的な対応を行うことで解決をすることが可能です。とても重要ですし、詳細に分析が出来るマーケターやディレクターの居るサイトであれば対応が可能ですが、とは言え時間やコストがかかります。
では、もっと「短期的に今より売れるようにする」方法は無いでしょうか。
「クロスセル」による離脱抑制と購買促進

「クロスセル」とは所謂マーケティング用語です。…と、言われると何だか面倒くさそうですね。簡単に言い換えるならば「一緒にポテトはいかがですか?」「レジ横商品」などがまさにこれです。
一般に言う「クロスセル」は、関連する商品を同時提案することで、より客単価をアップし購買促進に繋ぐことが可能になります。
買うつもりは無かったのに「気付いたらメニュー横のポテトまで買ってしまった」「80円お得だったので、店員さんに薦められてセットにしてしまった」「レジ横に有った見切り品を買ってしまった」等は「クロスセル」による購買行動です。
クロスセルとは、ある商品の購入を考えている消費者に対し、その商品に関連する商品や、組み合わせることによって割引になる商品などの購入を勧める販売方法。
クロスセルは、ひとりあたりの購入点数を増やし、その結果として購入金額を向上させることを目的としている。
参考)マーケティング用語集Wiki 「クロスセル」
https://marketingis.jp/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%82%BB%E3%83%AB
この手法を使うとウェブサイトでは「離脱抑制」や「購買促進」効果を生み出すことが可能です。さて、これをどうやってサイト上で提案するのでしょうか。
これを実現する手法が「関連商品/関連アイテム」の表示機能です。「関連商品」とは「価格」「色」「スペック」「カテゴリ」「オプション」等、その商品と「類似/近似する商品」(もしくは「ユーザーニーズに近い商品」)を表示させることで、回遊率を上げる機能です。
例えば、某ECサイトの「この商品を見た後に買っているのは?」や「同じカテゴリーのおすすめアイテム」等が具体的な事例です。
ユーザーは自身が欲しいものに近い商品を掲示されると、その商品も閲覧する傾向が有ります。この心理を活用して、自社サイトでより多くの商品を見せることで「検討率/回遊率」を上げて「離脱率」を下げることが可能になります。これにより今までよりも「売れるようになる」効果が期待できます。
本来の「クロスセル」とは、ユーザーあたりの購入単価を上げるために「追加の商品購入」を促すための手法ですが、「関連商品」の場合は「クロスセル」以外に、リピーターへの「アップセル」としても活用できます。
アップセルとは、ある商品の購入を考えている顧客に対し、当初決めていた価格帯の商品よりも上位の商品(あるいは利益率の高い商品)を勧める販売方法のこと。
参考)マーケティング用語集Wiki 「アップセル」
https://marketingis.jp/wiki/%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97%E3%82%BB%E3%83%AB
もちろん、商品詳細ページでの表示はこれらの効果が有りますが、さらに「購入完了画面」「サンキューページ」等で「関連商品」を出すと「テンション・リダクション効果」による追加の「クロスセル」効果も期待出来ます。
テンション・リダクション効果の「テンション(tension)」とは緊張を意味し、「リダクション(reduction)」とは減少や消滅を意味します。つまり、緊張状態が消滅したあとの注意力がおろそかになっている状態のことを指してテンション・リダクションと言います。そして、これをマーケティングに利用したものが、テンション・リダクション効果です。
たとえば、宝石やブランド品など、何か高級な買い物をしたとします。高級品ですから、購入者は悩むことがあります。できるだけ安いお店を探したり、金額によってはローンを組んだりと、購入に至るまでにいろいろなことをしなければいけません。ですから、購入の直後は緊張がゆるみがちです。
店員は、そこに付属品やオプション機能を勧めます。これがテンション・リダクション効果の活用法です。緊張の緩んだ相手に購入させることができたら成功というわけですね。
(中略)
店員は、購入者が本来目的としていたものとは別の商品を追加で購入させるために、気が緩んでいるタイミングを狙ってテンション・リダクション効果を利用しています。ポイントは、目的の商品よりも安いものを勧めることです。たとえば付属品であれば、購入させやすくなるでしょう。参考)ferret「テンション・リダクション効果」
https://ferret-plus.com/words/977
より効果の高い「関連商品」

手動で近い関連商品を抽出して感覚的にアイテムを表示するよりも、アクセス解析等からよりユーザーの傾向に合った商品を掲出したり、あるいは過去のコンバージョンデータ(問い合わせデータ)を元に表示を自動化させると、より効果が期待できます。
レコメンドエンジン(利用者の好みに合った商品を提案するシステム)を導入する方法も有ります。POS等の商品管理システムと連携している場合は、例えばユーザーの販売動向データから「Aを買ったユーザーはBも一緒に購入する可能性がある」というデータが取れますので、これらの販売傾向をサイトに反映することが出来ると「AとBをセット販売出来る」確率が上がるなど、さらに効果的です。
ログイン情報が取れるサイトの場合は、その商品自体の傾向だけでなく、ユーザー毎の年齢/性別/職業/趣味などあらゆるパーソナルデータを組み合わせて活用出来れば、強力なマーケティングツールとなります。
まずは「商品ページ」と「購入完了画面」へ「関連商品」機能を追加して、ユーザーの導線を分析してみてください。「ポテトはいかがですか?」の効果が実感できることでしょう。
ご注文が「ハンバーガー単品」ではなく「チーズバーガーセット」になることを期待して。


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